業界ニュース
1. 高速切削時の工具ホルダーシステム
数値制御(NC)工作機械、特にマシニングセンターでは、従来の7:24テーパシャンク工具システムが広く使用されてきました。しかし、このシャンクはテーパー面のみで接合されるため、主軸との結合剛性が低く、特に10,000r/minを超える高速回転時には剛性不足が顕著になります。また、ATC(自動工具交換)を使用する場合、工具交換後に工具の径方向寸法が変化し、再現性の低さが問題となります。
これらの問題を解決するために、標準的な7:24シャンクの改良が進められています。HSKシャンクからのヒントを得て、近年では新たな7:24接続技術が登場しています。例えば、日本の日研精機(Nikken)と大昭和精機(Big Daishowa)は、それぞれ**「3LOCK SYSTEM」と「BIG PLUS」**という新しい7:24接続システムを開発しました。これらのシステムは、従来の7:24シャンクと比較して接合剛性と精度が向上しており、高速切削に適しているだけでなく、既存の7:24シャンクや工作機械とも互換性があります。このため、7:24シャンクの今後の発展方向とされています。
また、新しいHSKシャンクやKMシャンクの採用も進んでいます。HSKシャンクは、テーパー面と端面の2面で位置決めを行う新型の高速シャンクであり、短いテーパー長を持つため、軽量化と高速化に適しています。端面での位置決めにより、軸方向の位置決め誤差を排除し、高速・高精度加工を可能にします。これらのシャンク技術は、今後さらに発展し、HSK、KM、3LOCK、BIG PLUSなどの新コンセプトのシャンクが改良・普及していくと考えられます。
現在、主軸と工具の接続技術の発展方向としては以下の点が挙げられます。
• (1)両面(端面+テーパー面)接触の位置決めシステムの採用
• (2)高精度クランプと高剛性を実現し、コンパクトな構造にする
• (3)バランス調整機能と振動抑制装置を搭載
• (4)多機能・スマート工具ホルダーの開発
2. 工具の動バランス技術
高速回転する工具では、バランスと安全性の問題が重要です。高速主軸システムでは、回転体のわずかな不均衡が遠心力を発生させ、振動を引き起こします。特に、高速切削時には工具やホルダーのわずかなアンバランスでも、大きな遠心力が発生し、不規則な切削力を生じさせます。これにより、以下の影響が発生します。
• 加工精度と表面品質の低下
• 主軸ベアリングと工具の寿命の短縮
• 高速切削の安全性の低下
このため、高速切削では工具の動バランスを慎重に管理する必要があります。
現在、海外では工具の動バランス技術に対応するため、専用の工具動バランス測定器が開発されています。例えば、ドイツのHAIMER社やイタリアのCEMB社は、自動バランス測定が可能な立式動バランス測定器を提供しています。
今後の動バランス測定技術の発展方向は以下の通りです。
• (1)測定精度の向上
• (2)操作の簡易化
• (3)多機能化と高度な解析機能の搭載
3. 工具刃先の鈍化技術の発展
現在、海外の超硬工具やインサートチップ(可換式チップ)の刃先は、ほぼすべて鈍化処理が施されています。刃先の鈍化によって、微細な欠陥が除去され、刃先強度が向上します。この処理により、工具寿命が20%~100%向上することが実証されています。
特に、高速切削では刃先の微細な欠けが発生しやすく、加工精度や安定性に影響を与えるため、刃先の鈍化処理が不可欠となっています。今後も、この技術の進化により、さらなる工具寿命の延長と加工品質の向上が期待されます。
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